逗子に「潤いのある空間」と「人との出会いを演出する場」として「コミュニティパーク」イベントが2004年から、年に2回実施されている。14回を迎える今回は、オシャレな古着の交換会「xChange(エクスチェンジ)」が11月5、6日に開催された。約120人が参加し、400点以上の古着が交換された。
エクスチェンジとは、自分ではもう着ないけれど、誰かに使ってほしいファッションアイテムを持ち寄り交換するシェアスペース。来場者は持ち込んだアイテムに「エピソード・タグ」を付けるのがルール。服にまつわるエピソードを書き、服に付け、会場にディスプレイする。その後は自分の気に入ったアイテムを何点でも持ち帰ることができる。お金ではなく、思いのやりとりを大事にしている。
今回のエクスチェンジ主催者である、クリエイティブディレクターの野田治美さんは、「大量生産、大量消費型の生活からモノをあまり捨てないゴミを出さない生活へシフトしていく時代がきている。物々交換というシステムを通してシェアという選択肢を多くの人に知って欲しい」と語る。
野田さんは、つながりやぬくもりをテーマにしたコミュニティパークのイベントとエクスチェンジの趣旨が共通していると感じ開催を決めたという。姉妹で参加していた松原優さん(27)、石田綾さん(29)は、物質主義の日本社会に不満を感じていたという。お金を使わず、物を大切にする暮らしに憧れていたが、日本のリサイクルショップは高くつくため、お金を介在させないエクスチェンジのシステムに魅力を感じたという。
主婦の荒澤涼子さん(37)は、6点持ち込み、19点を持ち帰り、とても満足の様子だった。自分の服を他の人が着てくれる喜びがあり、タグを読むと暖かい気持ちになれ、また、めずらしい服に挑戦できるなど、エクスチェンジは地元の人に好評のようだ。
6日の午後には、地元の人たちがモデルとなったエクスチェンジファッションショーが開催され、会場が暖かい雰囲気に包まれた。エクスチェンジは誰にでも開催できる楽しく、オシャレなゴミを出さない循環型の社会貢献の場。今後の自主開催の広がりが期待される。(オルタナS特派員 加藤梨沙)