宮城県本吉町にある小中学校で、2009年「日本一の学校給食」が出された。

これは「全国学校給食週間(文科省)」に合わせたもので、町が「食育」の一環として企画した「日本一豪華な学校給食」である。

豪華給食が出されたのは本吉町にある町内の小中全7校の計947人。出された給食には、アワビやフカヒレなど豪華な海の幸が盛りだくさんであった。本吉町は気仙沼に隣接していて、給食で使用された海の幸は全て気仙沼で取れたものである。

子どもたちは「毎日がこの給食だったらうれしい」と言って、アワビご飯を嬉しそうに食べていた。しかし、この給食を単に豪華な給食と捉えてしまうのでは本質が見えてこない。

実は、この豪華給食は「地産地消」を表しているのだ。子どもたちに地元産業の素晴らしさを知ってもらい、将来地元の産業を背負ってもらうことが狙いである。

ちなみに現在、宮城の給食センターは、先の大震災で壊滅的打撃を受けてしまったが、南三陸では2011年6月には今までわずかパン、牛乳、デザートだけだった給食におかずが1品追加されると言ったうれしい知らせが届いている。

近年、国内の多くの地方地域で過疎化が深刻化している。都市部への流出を防ぐために、ただ単においしいだけではなく、その裏に込められた地元の方の想いが詰まった豪華給食である。(オルタナS特派員 池田真隆)