クリスチャニアという町を知っているだろうか。デンマークの首都コペンハーゲンにありながら自分たちの国旗を持ち、自分たちのルールで暮らす独立した自治区である。
元は軍の敷地だったが、1971年に軍が移転したことで使われなくなった。そこでこの地域にヒッピーたちが住みつき、デンマークの法律には頼らない独立したコミュニティを形成した。約900人が住む。
政府との闘争を繰り返した末、1972年に電気代と水道代を支払うことを条件に敷地を管理していた防衛省から正式に譲り受けた。デンマーク政府にも「社会実験」として認められていたが、敷地内では大麻を自由に売買できるため、政府による厳しい監視が続いている。
しかし悪い面だけではない。自由や平等を愛するヒッピーの文化を受け継ぎ、クリスチャニアでは徹底的に環境に配慮している。車やバイクの運転が禁止されていたり、再利用した材料で建物を建てたりなど「グリーン・プラン」という環境配慮に関するルールが定められている。銃を所持することや暴力も禁止されている。
中へは誰でも入ることができ、年間100万人以上の観光客が訪れるほどデンマークの中でも有名な観光スポットとなっている。(オルタナS特派員=木村絵里)
公式サイト
http://www.christiania.org/