売り上げの1%を環境保護活動に寄付する企業同盟「1%フォー・ザ・プラネット」が、このほど企業とNGO向けのセミナー「あなたの1%が世界を変える」を都内で開催した。米国バーモント州に本部を持つ同団体が、日本でのネットワークをさらに広げるのが目的だ。

1%フォー・ザ・プラネットのテリー・ケロッグ代表


1%フォー・ザ・プラネットはいわば、企業とNGO 団体の仲人役だ。彼らは、同じ目的を持つ者達を
引き合わせるプロである。1%フォー・ザ・プラネットのメンバー企業は、自ら選んだ環境保護NGO 団体に売り上げの1%を直接寄付する事ができる。世界では約1450 社、日本では約30 社が加盟している。

進行役は、環境活動やフェアトレードの普及に取り組むフリーアナウンサーの末吉里花さんが務めた。1%フォー・ザ・プラネットのメンバーやNPO「森は海の恋人」の畠山重篤代表が講演を行った。畠山代表は、気仙沼で牡蠣の養殖業を営みながら、森を育て、海を豊かにするための植林、育林活動を行ってきた。しかし東日本大震災の津波でほとんどを破壊されてしまった事などを語った。

メンバー企業のパネルディスカッションでは、北海道のエコ名刺販売会社や九州のドーナッツ製造店など幅広い職種の企業経営者が、環境活動に参加するきっかけや環境配慮型の商品開発などについて話した。

ケンジーズドーナツ(博多市)の上杉建治社長は、「気合いで環境問題、不況に挑んでいる」と発言
し、会場内の共感を集めた。同社では、ドーナッツの使用済み油の処理に困ったことがきっかけで、廃棄油をバイオディーゼル燃料に変えることになった。「必要は、環境保護の母だ」と言う。

1%フォー・ザ・プラネットのテリー・ケロッグ代表は、「イベントの前に北海道に寄り、日本の自然の素晴らしさや、自然と共存する日本人の姿勢に敬意の念がさらに強まった」と語った。

企業の加盟には大小、職種、売上高の制約は無い。企業が効率的に環境問題に寄付できる1%フォー・ザ・プラネットは重要な存在になるはずだ。(オルタナS特派員=森本洋子)