慶應大学環境情報学部に所属する傍ら歌手活動を行うキタオユカさん(21)。今年3月に東日本大震災で被害を受けた岩手県宮古市の小学生たちと一曲の歌を合唱した模様を収めたミュージックビデオを動画配信サイトYouTubeで公開した。幼い頃、阪神淡路大震災を経験したキタオさんがこの曲で伝えたいこととは。(聞き手・オルタナS特派員=野角高志)
■「この空がひとつしかないのは」で伝えたい思い
2011年3月11日、東日本大震災が発生したときに東京にいたキタオさん。「4歳のときに阪神淡路大震災を経験したので、3.11の直後から何か自分にできる事は無いかと思い悩んでいました」と語る。
今年3月15日、阪神淡路大震災を共に乗り越えたピアノで作成した楽曲「この空がひとつしかないのは」のミュージックビデオを動画配信サイトYouTubeに投稿した。
「この空がひとつしかないのは」という曲名にしたのは、「皆つながっているから。
そして、哀しみも暗闇も皆で分け合いたいから」と語る。そんな思いが、祈りや希望として歌に込められている。
■ 岩手県宮古市の赤前小学校の児童と合唱
震災と被災地の今を忘れないために、今年に入ってからこの曲のミュージックビデオを作る事にした。撮影場所となったのは岩手県宮古市立赤前小学校。高台に建てられているので、甚大な津波被害を受けた岩手県宮古市において、津波被害をまぬがれた小学校である。
その映像を制作する友人の学生が赤前小学校でボランティアをしていたこともあり、それが縁で赤前小学校の協力を得て、この撮影が実現した。
被災地ドキュメンタリー映画「手のなかの武器」の主題歌になったのもヨシモトリョウ監督が、偶然この曲をYouTubeで見つけたことがきっかけ。面識の無い彼女に直接メールを送り打診した。
■夢であるアーティストへ、努力の日々
このミュージックビデオを制作するにあたっても、一生懸命に歌い、彼女のいない所でも歌う練習をした子どもたち。そのまっすぐな純粋さに、彼女は感銘を受けたという。
キタオさんはまだ大学生だが、「Ustream」で番組を持ち、シンガーソングライターとしてライブ活動も行う。彼女は、夢であるアーティストを目指し、学業と歌手活動の両立を頑張る。その中で生まれた曲が、「この空がひとつしかないのは」だ。被災者の心に希望を与えたいという彼女の想いが詰まったこの曲をぜひ聞いてみてほしい。
キタオユカ
平成2年生まれ、シンガーソングライター。
兵庫県出身。慶応義塾大学SFC環境情報学部在学中。
幼少の頃より母親の影響でピアノを始め、高校2年より大阪中心にライブ活動をスタートする。2009年秋、ロッテ×ソニーミュージック主催「歌のあるガムプロジェクト」にて5000組中のファイナリスト5組に選ばれ、Zepp Tokyoで行われたファイナルイベントではSONY MUSIC賞を受賞。オリジナル曲は、約200曲以上。
現在ギターとピアノ弾き語り、時にバンドスタイルで都内を中心にライブ活動中。
Myspace:http://www.myspace.com/kitaoyuka
Twitter :https://twitter.com/kitaoyuka
Blog :http://ameblo.jp/kitaoyuka/
「この空がひとつしかないのは」↓