大阪市社会福祉協議会など12団体は3月11日大阪市北区のスカイビルで「避難者のつどい“with” KANSAI 3.11」を開催し、関西への避難者や支援に関わるボランティアなど約360人が参加した。同イベントでは、1つのテーブルに年代の近い避難者と支援に取り組んでいる人を交えて避難生活の悩みやお互いの活動などを共有した。

ほっとスペース石巻の様子 (写真提供:み・らいず)


交流会のファシリテーターとして同企画に協力した「み・らいず」(大阪市住之江区)は大阪市や堺市を拠点に不登校の生徒や発達に遅れのある人に対しての支援を行っている。現在も、被災地の宮城県石巻市で中高生が心休まる居場所づくりを目的とした、「ほっとスペース石巻」の活動を実施している。

同団体の山中徹二さんは「避難してきている子どもたちは地震や津波、放射能汚染というかつてない経験をしている。今後なれない環境に早く適応しようとする過剰適応や、いじめの問題がでてこないか心配しています」と話す。

家族が被災地と避難地で離れて住むことも少なくなく、家庭の経済負担が増している。また母親が先の見えない不安や新しい地での生活に慣れず子どもに対して手をあげてしまうケースも出てきている。山中さんは「子どもたちの心のケアの重要性への認識は高まっている。

しかし、住居や経済的な問題など生活支援を行わないと本当の意味でのケアにはつながらない。阪神大震災は発災から2、3年後にPTSD(心的外傷後ストレス障害)を発症した人もいる。今後学校や行政と協働して対策を考えたい。」と語る。

同団体では県外避難者の子どもたちへの相談支援事業を電話やメールなどで行っており、今後は、避難者の親が一息つけ、子どもが元気いっぱいに遊ぶことのできる場所をボランティアと共に作り継続的に提供していくとし、「自主避難や情報が少ない人に対しても発信していきたい。」と山中さんは話した。(オルタナS関西特派員=喜多元哉)