みなさんは震災支援活動と聞いてどんなことを想像しますか?今回紹介するのは筆者が大学入学から2年間続けている「アカペラ」を通した支援活動です。この活動を通して伝えたいことは、どんな趣味でも、人の心と向き合えるきっかけになるということです。(早稲田大学高野ゼミ支局=千葉 友也・早稲田大学社会科学部2年)
東北は女川町。女川町は2011年3月11年に起きた東日本大震災で最も大きな被害を受けた地域の一つです。筆者はAlways With Smile学生アカペラプロジェクトの一員として女川小学校と女川中学校、そして地域のふれあいセンターに訪問しました。
Always With Smile学生アカペラプロジェクト(以下AWS)は月に1回、大学生や社会人を募って女川町や気仙沼で支援活動をする団体です。
今回は、このプロジェクトに参加したメンバーで、3年間で10~20回以上参加してきた人たちにお話を聞きました。
■東北には、未来がある
あるメンバーは、「日本で最も人口減少率が高いともいわれている女川町だからこそ、パイオニアとして前へ進む楽しさがある」と言います。彼は「女川町は未来の町」と信じています。
初参加の筆者は、たった一度きりの活動で子どもたちと信頼関係を築こうとました。しかし、そんなことできっこない。
「何度も繰り返し活動をする。そしてその土地の人たちを理解し、信頼を得て初めて心を開いて深い関係を築ける。支援活動は長い目で見ることが大事」
学生代表の経験者は時間をかけて子どもたちと接し、いつでも相談に乗れる準備をしたと言います。このことこそ、AWSの理念が30年間伝わり続ける要因だとはっきりと分かりました。子どもと、自分と、町がともに未来をつくっていくには長期間つながる支援が必要なのです。
アカペラは声だけで音楽を作り、ハーモニーを奏でます。楽器は一切いりません。一緒に歌う仲間がいればいつでもどこでも歌えてしまいます。小学校、中学校、フューチャーセンター、ふれあいカフェ、お土産屋さんなど、アカペラを通してたくさんの人と交流ができました。
もちろんアカペラだけではなく、人と関わっていく方法はたくさんあります。きっとみなさんが夢中になっている趣味からでも、誰かの心と向き合えるチャンスはあるかもしれません。
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