省エネルギーのコンサルティング事業を行うリレーションズ(東京・千代田)は9日、自転車シェアリングシステム事業「COGOO(コグー)」の導入実験を横浜国立大学で開始した。自転車に電子錠を装着するだけで運用が可能で、従来システムに必要とされた通信端末を電子錠に搭載しないタイプとしては、世界で初めての自転車シェアリングシステムとなる。

横浜国立大学で導入される自転車

従来の自転車シェアリングシステムでは、駐輪ラックや通信端末、精算機などが必要だった。コグーは、スマートフォン、タブレット端末などの無線通信規格「Bluetooth」機能を活用して、電子錠を自転車に装着するだけで無人サイクルシェアリングが実現できる。

コグーを使用するには、まずアプリをダウンロードする。アプリ上で解錠命令を出すと、Bluetoothを通じて電子錠が開く仕組みだ。レンタル情報やユーザー状況はデータセンターで管理される。

コグーの電子錠。通信端末が不要になるため、省エネルギーでの運用が可能

リレーションズによると、「導入コスト」と「設置スペースの確保」が普及の課題であった従来システムの設備導入コストを約4分の1以下に抑え、自転車1台から設置が可能になるという。このシステムを導入することで、1台の自転車を数人で共有することが可能になる。

コグーは、年間約24万台といわれる日本の放置自転車問題や地球環境問題を解決するために、電子機器の受託開発・製造を行なっているイデアシステム(長野県岡谷市)、携帯端末向けのソフトウェア開発を行なっているNCデザイン&コンサルティング(東京・渋谷)と共に事業開発された。(オルタナ編集部=吉田広子)