一般社団法人Coffret Project(コフレ・プロジェクト)(東京・港)は、コスメを使って女性が自信と尊厳を取り戻すきっかけを作ることを目指している。

これまで日本の一般女性から品質上問題ないものの使用されなくなった化粧品を回収し、化粧品メーカーからも使用期限内のシーズンオフ化粧品の提供を受け、ネパール、フィリピン、インドネシア、トルコなどに累計5千点超の化粧品を提供してきた。

ネパールの女性にメイクを施している様子


東日本大震災の被災地(宮城県石巻市、福島県福島市)へも計1万点の化粧品を届けた。シュウウエムラがオフィシャルスポンサーを務めている。

2010年からは、1年間に約1万~1万5千人の女性がインドの売春宿へと売られているネパールを中心に活動中だ。

今年1月にネパールにあるシェルターでワークショップを行うと、エイズなどの病気に感染し、売春宿にすらいられなくなった女性が約60人も保護されていた。代表理事の向田麻衣さんはその様子をこう紹介している。

「彼女たちは少し触れられただけで体をびくっと震わせてしまうくらい、完全に人を拒絶するようになっていました。私は何度も何度も語りかけ、根気強く、優しく肌に触れ続けました。化粧が終わった後、ある女性は私に声をかけてくれました。『丁寧に触ってもらえたのがうれしかった。やさしくて、やわらかくて、とても幸せな気持ちになった』。途上国の本当の問題解決のヒントは、精神的な支援にあるのではないでしょうか」

コフレ・プロジェクトではシェルターで過す女性たちの自立を支援することを目的に、日本や海外から美容の専門講師を呼び、メイクアップの職業訓練を行いたいと考えた。今年10月から11月にかけて毎週1回、肌の基礎知識、衛生管理の基礎知識、化粧品・メイク用具の使い方、メイクレッスンを学べる計8回の講義を実施予定だ。

この事業には、実習用テキストを用意する費用や備品・道具類の調達費などで250万円の経費がかかる。同団体はクラウド・ファンディングのサイト「READY FOR?」で5月24日の午後11時まで支援を求めており、3000円から支援できる。(今一生

●「READYFOR?」内のコフレ・プロジェクト
https://readyfor.jp/projects/Coffret