フィリピンのごみ山スラム街で暮らす人びとへのインタビュー第三弾。
ノリエル・メモラション(20歳/男性)
職業:スカベンジャー(ゴミ拾い)/NGO団体ACCESS青年会プロジェクトリーダー
家族構成:父(母親の3人目の夫)、兄(1人目の父の子)、弟、妹(共に2人目の父の子)
生誕地:マニラ首都圏内
居住地:スモーキーマウンテンⅡ
― 略歴 ―
マニラ首都圏内のスラムに生まれる。その後、同じく首都圏内に位置するハピランというスラム街に移り住み、小学校1年生から3年生を修了。翌年、叔母の住むマスバテ(フィリピンの中央部分に位置する島)に身を寄せ小学校4年生を過ごすが、スラム出身者という立場上生計を立てる手段を見つけられなかった一家はスモーキーマウンテンⅡに定住、スカベンジャーとして働く道を選んだ。
1年間学校に通わない期間を経た後、休日はゴミ拾いをして働きながら小学校5年生を修了。飛び級試験に合格し、小学校6年生を経ずに高校1年生(フィリピンでは小学校卒業後に高校へ進学するため)となるが、家庭の金銭的貧窮またクラスに友達ができなかったことを理由に中退。
1年後、あるNGO団体が斡旋したスポンサーの支援で奨学金を得、再び高校に通い始める。高校2,3,4年生を全て飛び級試験で修了し、翌年大学へ進学。同年、ACCESSの青年会リーダーとして活動を始める。教師になることを夢見て4年制コースを希望するも、飛び級進学者には3年制しか適応されなかったため失意、大学1年生の終わりに自主退学した。
翌年、再びNGO団体のコーディネーターの薦めを受け4年制の英語学科に進学するも、あらかじめ支給されていた学費を私用目的で使ったことが問題になり、2009年再び退学。スポンサーも離れ、教育現場へのアクセスを失った。(オルタナS特派員=高橋礼)