鹿児島の指宿市立指宿商業高校の全校生徒590人が1000円ずつ出し合い「指宿(いぶしょう)」という社名の株式会社を設立した。

「指宿(いぶしょう)」の株主総会の様子


高校が会社登記するのは全国初の取り組みである。生徒たちは株主であり社員でもある。特産品を使った商品開発を行い、利益が出れば受け取ることができる。

去年卒業した高校3年生が会社登記へ定款作成を行い、公証役場や法務局に出向いて今年4月に法人登記した。地域の経営者が取締役を務め、代表取締役は同校OBの宮ノ前孝義さん(62)が務める。

同校は以前から、農業高校から仕入れた農産品を加工して販売する「指宿(いぶしょう)デパート」を運営してきた。

同校教諭で指宿(いぶしょう)統括事業本部の渡邊隆さん(36)は「今後は指宿(いぶしょう)デパートの運営と新たな事業を行っていく」と話す。現在、全校生徒が企画書を作成していて、7月4日に取締役への提案会を行い、そこで新事業が決まる予定である。

会社を設立した背景には、より優れたビジネス教育を実践していくためという。渡邊さんは「他の会社へのビジネス体験では、甘えが出る場面もある。実際に会社を運営していくことで、生徒へのやる気を喚起でき、厳しさも体感できるのではと思っている。指宿(いぶしょう)では地域と一体となって事業活動をしていきたい」と話す。(オルタナS副編集長=池田真隆)


指宿商業高校


他のオモしろ見出し一覧に戻る