兵庫県での上映会で講演する小川光一さん

日本一周上映会中に東北地方太平洋沖大地震の影響で上映中止になっていたカンボジアエイズドキュメンタリー映画「それでも運命にイエスという」(監督 葉田甲太/小川光一)が、今月の18日に一夜限りの最終上映会でスクリーンに戻ってきた。

この映画の監督を務めた小川光一(24歳)と葉田甲太(27歳)は映画制作とは無縁の素人である。しかし、UFPFF国際映画祭発表会に選出されて話題となり、2011年2月15日~3月27日の間に全24都道府県31会場を回る日本一周上映会を敢行。監督である小川光一自らが九州からひたすらレンタカーで北上し続け、長崎から新潟までで計20会場のべ1816人を動員してきた。

関東まで辿り着き、これから関東東北上映会だというタイミングで地震が発生。残っていた関東東北の全11会場で行われる予定だった上映会は中止となった。

地震翌日小川はNPOみんつなを結成する。岩手県陸前高田への長期的な自立復興支援と長期的な報道活動を目的としており、小川自身も現地調整班として1ヶ月ほど現地に滞在して活動している

小川自身は日本一周上映会からそのままNPOみんつなの活動を開始したわけだが、日本一周上映会を通して出会ったかたがたもその想いに共感。映画上映スタッフや、観に来たお客さんまでがNPOみんつなに加わり、彼の活動を支えている。

そして、震災から3ヶ月たった今、中止となった関東7会場合同主催という形で6月18日に東京オリンピックセンター(参宮橋)で800人規模のチャリティイベントを行い、そのイベント内でこの映画を上映する。

日本一周上映会では「国内も国外も関係ない。ゴミ拾うのも国際協力も一緒」そんな想いを伝え続けてきた。だからこそ小川は今回も「震災とカンボジアを並べ立てても伝えたい想いは一緒。カンボジアと被災地の現状にある問題を伝える中で、人間の心の問題に対して訴えかけていきたい」とコメントしている。3月11日以来止まってしまった時間がいまようやく動き始める。

(オルタナS 池田真隆)

参考URL

6/18「それでも運命にイエスという」日本一周ラスト上映会

NPOみんつな