色鮮やかな「ひまわりコースター」。この手織りのコースターは、阪神淡路大震災の復興のシンボル「ひまわり」を植える運動からヒントを得て生まれた。現在、タイ北部チェンマイにあるヒーリングファミリー財団が復興の願いを引継ぎ制作を行っている。

廃棄される車椅子を再利用する


ヒーリングファミリー財団は2002年から3年間行われたJICA開発パートナー事業「障害者 就労機会開発プロジェクト」終了後、現地の人達が知的障がい者の自立を目指しプロジェクトを引き継ぎ、設立した団体だ。

「ひまわりコースター」は2004年インド洋沖地震の被災者支援の為に、タイの被災者キャンプでも制作した。財団では昨年の東日本大震災で被災した障がい者支援のために制作・販売し、売上金を一部寄付した。

ひまわりコースター

アジアレベルでの福祉の増進を目的にした佐賀にあるNPO法人 HFF JAPANが財団を支えている。 福祉政策が充実していないタイでは車椅子の入手も困難だ。欧米からの寄贈品も多く届けられているが、サイズが大きくてタイ人の身体に合わない。体格が似ている日本の車椅子は大変喜ばれる。

HFF JAPANでは、グローバル教育の一環で地元の小学校で活動を紹介している。日本で廃棄される中古の車椅子を児童たちの協力でピカピカに磨き上げ、年に二回スタディツアーの手荷物で現地に搬送している。

障がい者への偏見、家族の孤立という問題があるタイで「バーンヌサック」と言うクリエィティブ センターを運営している。15人の知的障がいのある人々を多才なアーティストと呼び、日本からの参加も多いボランティアと楽しみながらTシャツの制作や美しい手織りの作業をしている。

財団顧問の中山晴夫さんと奥さんの一美さんはJICAプロジェクト終了後から現在まで、HFF JAPANと共に活動している。手織り作品など、タイ国内だけでなくフェアトレードとして、日本でも購入できるようになった。市民レベルの国際協力活動がタイの財団を勇気づけ感謝と勇気が戻ってくる。(オルタナS特派員=奥田景子)