先進国の中では最も遅れて、ついに日本にも「緑の党」が誕生する。明日28日の結成総会を前に、東京都杉並区議で同党結成準備委員会のすぐろ奈緒・みどりの未来共同代表に、日本の緑の党が目指す所を聞いた。(聞き手・オルタナ編集委員=斉藤円華)
――大飯原発再稼働後、政治に危機感を抱いた人々が数多くデモに参加している
多くの市民は民意が受け止められていないと感じている。政治を他人任せにしない「参加型民主主義」が、これまで日本で行われて来なかった結果だろう。緑の党を民意を受け止められる政党にするため、みんなで話し合って決め、そして決めたことには責任を負っていく仕組みを、しっかり作って行きたい。
また、私たち自身も含めて、これから参加型民主主義を実現するための訓練もしなければいけない。今回の緑の党の結成に向けては、党の規約を会員やサポーターも含めて全体で半年かけて議論し、党名も投票で決めた。
――国政選挙に向けた戦略は。ターゲットは若者が中心か
若年層はターゲットだ。原発の即時廃止や、女性の政治参画を促すためのクオータ制(議席割当制度)の導入、市民と議員の対等などの政策を前面に出す考えだ。しかし高齢層を排除するわけではない。安保世代、団塊世代の人たちは、社会を変えられなかったことへの思いを持ち続けている。かつての闘争ではない形で協力していきたい。
2013年の参院選では選挙区と比例区で10人の候補者を立てる。選挙資金1億円を集める募金活動を行っており、現在1千万円以上が集まっている。
――世代間対立はどう考える
若い世代には「得をするのは高齢世代」と感じている人もいる。税の公正な負担について、みんなが納得できる仕組みをしっかりと考えなければいけない。
――緑の党の未来像は
経済成長至上主義から脱却し、定常型社会を目指す。これから社会がどこへ進もうかという時に、「こういう方向もある」と選択肢を示したい。GDPが一定の値まで到達するとそれ以上は幸福度が上がらないというデータもある。そうした今だからこそ、私たちが登場する意義がある。(2012年7月27日)