昨年、パリのルーブルで開催された世界最大規模のエシカルファッションショーで優勝したのは日本人若手ファッションデザイナーだった。名前は志賀亮太(27)。2011年から本格的に拠点を日本に移し、エシカルファッションブランド「RYOTA SHIGA」を立ち上げた。
志賀氏の得意とするファッションは毛皮を使う。毛皮を使うことは、環境や社会に配慮したエシカルファッションとしては異例のことである。毛皮を使ってもエシカルと言える所以は、自然死した動物から毛皮を取るからである。
「寿命で死んでいった動物の毛は非常に柔らかい。この柔らかさは、生涯をまっとうした動物しか持っていない」と志賀氏は話す。志賀氏が服をデザインするうえで意識していることは、「自然との一体感」だという。
「自然に服を通して触れることで、普段意識しなかったエシカルに関心を持って欲しい。デザインには、大量生産型の社会から脱却し、社会課題を解決する力があると信じている」と話す。
今後の日本社会にエシカルが進出することを予測し、2011年にエシカルファッションブランドを立ち上げた。「若い人たちの夢や希望を作るのがデザインである。エシカルな社会を実現するには、今の社会をチャレンジしていくことで変えていこうとしている若者を育てていくことが大切になってくる」と話す。(オルタナS副編集長=池田真隆)
・RYOTA SHIGA