東日本大震災で地震・津波の多大な影響を受けたエリアの一つ、宮城県石巻市。石巻市立湊小学校は、震災直後から避難所になった。

映画『石巻市立湊小学校避難所』のワンシーン  ©2012 STANCE COMPANY IN&OUT


その避難所の生活を追い続けた映画「石巻市立湊小学校避難所」(監督・撮影:藤川佳三)が、東京の新宿 K’s cinemaで9月14日まで毎日午前10時から公開中だ。

昨年4月21日。大震災から1カ月あまり経った頃、湊小学校を訪れた藤川監督は避難所で暮らさざるを得なかった人々の底抜けに明るいようすに驚いたという。

だが、何日か過ごしてみて、それが笑顔の奥底にしまいこんだ悲しみの大きさだったと知る。それから避難所が閉鎖される10月11日まで6カ月あまり、監督はそこに泊まり込み、避難者に寄り添いながらカメラを回した。

避難所で「家族」を見つけた高齢者がいる。行政に無理だと知りつつお願いをする避難者がいる。応援のつもりで「ふるさと」を歌う県外の支援者に対して「帰るところがある人が歌っている。われわれはここがふるさと。瓦礫の中」と怒る人もいる。

そのように、『石巻市立湊小学校避難所』は避難者たちのリアルな声を届ける長編ドキュメンタリー映画に仕上がった。

大阪では第七藝術劇場で9月8日から、名古屋シネマテークでは10月6日から、11月には仙台の桜井薬局セントラルホールでも上映が予定されている。9月9日には、第七藝術劇場で藤川監督とプロデューサーの瀬々敬久さんが舞台挨拶に登場する。

震災は決して過去のものではないし、被災者だけの問題ではない。今後の震災に備え、避難所の現実を知ることは、私たち自身が生き残るための学びにもなる。これは、地震列島・日本に住む市民として、必見の映画なのだ。(今一生


●映画『石巻市立湊小学校避難所』
http://www.minatohinanjo.com/