障がいを持つ当事者らがフリーペーパー「Co-Co Life(ココライフ)女子部」を8月に創刊した。化粧の仕方やバリアフリーのお出かけスポット紹介、恋愛やSEXについての女子トークなど、障がい者目線で作られたファッション誌だ。

左が女子部・部長の藤井さん「みんなでおしゃれして外に遊びに行こう!」 


創刊特集は「アイメイク」。目元を作りたくても、脊髄損傷や麻痺がある人は手指が動かしづらい。ココライフ女子部では、制限があっても描けるアイシャドーやマスカラの塗り方などを紹介している。

40人ほどのスタッフは、ほぼ何らかの障がいを持った20~40代の女性たちだ。実は2010年12月まで「ココライフ」という障がい者向けの情報誌が発行されていたが、資金上の都合から休刊。その後、誌面で読者モデルとして活躍していた藤井あきこさん(29)が、独自にサークル「ココライフ女子部」を立ち上げた。

藤井さんは全身性エリテマトーデスという難病の後遺症で片杖歩行である。モデルをしながら「女子」を意識することを多く経験した。

「障がいがあってもなくても女子は女子。でも普通の女子にはできることが難しいこともある。そこで情報交換をしたいと思い立ち上げました」(藤井さん)

フェイスブックにページを作り読者と交流するほか、メルマガ発行や、女子会イベントも開催している。

「障がいがあるとどうしても家にひきこもりがち。でもみんなで出かければ、不便なことも助け合える」

活動を続けるうち「最初はボランティアからでも、雑誌を復活させたい」という思いがつのり、今回の創刊に至った。

当事者たちだけで作りたい。編集経験のある元スタッフを編集長に迎え、企画やライティングは自分たちで行った。現在は、全国の設置場所に1万部設置している。郵送も可。スポンサーや広告をとり、次号は2万部を目指す。就労できていないスタッフもおり、収入を作るのも目標だ。

プロデューサーの遠藤久憲さん(46)は言う。「日本人の1割はなんらかの障がいを持つとも言います。社会に対しても、彼らはちゃんとした消費者で、有益なユーザーだ、ということもアピールしていきたい」(遠藤一)

 
設置場所や郵送願いは公式サイトまで http://www.co-co.ne.jp/index.html