「試せる・学べる・創れる・癒される」をテーマにした、ママによるママのためのイベント「ママまつり」。ママたちの特技や経験を活かした発表の場として、彼女たちが出展するブースがメインとなっている。

ステージイベントや企業ブースなども加わり、出展者と来場者・ママ同士・ママと企業・ママと社会を結ぶ。

バラエティ豊かなママブースにはマッサージやネイル、メイク、手作り雑貨など、女ゴコロをくすぐるものばかり。会場に訪れた大勢のママたちは、ずらりと並ぶブースをひやかしながら愉しげに吟味していた。

「ママまつり」は全国で開催されており、札幌は今年で2回目。驚くことに、告知期間も短い上にインターネットでの宣伝中心だが、昨年同様2,000人を超える来場者を記録した。

また募集した出展ブースにも希望者が殺到し、先着順での受付となったという。この現象はママ同士の強い結びつきによるものであり、彼女たちのネットワークの結束力や機動力の高さを物語っている。

実行委員長のママナビ代表取締役阿部夕子さん(45)にママネットワークの強さについて尋ねてみた。

「ネットワークを強くする要因は、子育て中という同じ境遇にあることです。そして『札幌』という限定した地域性もあります。ママたちはブログやSNSを駆使して情報交換し、新たな人間関係を築くのが上手です。イベントに参加する側だった人が、友人に誘われて出展側にまわることも多い、というのも女性特有ではないでしょうか。また女性はコミュニケーション能力が高いので、イベントにも誘うのが上手ですね。口コミがイチバンの宣伝ですから」。

ママネットワークから生まれた企業やNPO、市民団体は数知れない。また、「ネットワーク(人のつながり)」の強さに比例して、「コミュニティ(互いに貢献し合う関係)」へと変化する可能性が高いのも当然なのかもしれない。

仕事で自己実現を図る女性の多くは、出産はキャリアの妨げになると考えがちだ。でも、子育てからはじまる新たな世界にも多くのチャンスがあり、自分次第でキャリアとネットワークをいか様にもつなげることは可能なのである。(オルタナS北海道支局特派員=和田真世)


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