世界の食料問題の解決に取り組むNPO法人TABLE FOR TWO International(以下TFT 東京・港)は16日、「100万人のいただきます!」キャンペーンを開始した。
国連が定めた「世界食料デー」である16日から11月30日までの1カ月半の間、キャンペーンは行われる。本キャンペーンでは、TFTが提供するヘルシーメニューの喫食やスポーツ大会などでのカロリーオフを通して、アフリカの飢餓に苦しむ子どもたちに給食を寄付する。
仕組みとしては、TFTが販売する商品を購入すると、1食につき20円が寄付されるようになっている。ヘルシーなメニューなのでメタボ予防となり、健康に配慮しながら社会貢献ができるようになっている。TFTの活動には過去5年間で、1600万人が参加しており、世界食料デーを記念した本キャンペーンは今年で4回目である。
今年のキャンペーンには、学生食堂やコンビニ、インターネットショップなど500企業・団体が参加する。ファミリーマートでは、TFTブランドのカロリーオフコンセプトのキャンデーを30日から発売し、高島屋では、オリジナル大豆スイーツ「ガトゥ!チャ」を16日からオンラインショップとカタログで販売する。
TFTの活動には、2011年1月から2012年7月までの1年半でプログラム参加団体が1.5倍に増えたという。この増加には、東日本大震災以降、トレンドとなっている「エシカル消費」思考が背景としてある。
今年1月に電通総研が発表した2012年の社会や消費を予想するキーワードの5つのうち1つが「ソーシャルリンケージ」であった。ソーシャルリンケージとは、自分が他人や社会とつながり、課題解決のために貢献できていることを実感できる商品やサービスのことを指す。
昨年の本キャンペーンでは、東日本大震災後という影響もあり、被災地を優先的に支援する企業が多かったこともあり、目標の100万食まで10万食足りない、約90万食が寄付された。
15日に開催された記者会見では、TFT代表の小暮真久さんは、「今年は寄付や社会貢献思考への関心度合いが高いと感じている。500の企業や団体と協力して、100万食を達成したい」と話した。
10月18日には、玉川高島屋で世界食料デー記念イベントが開かれる。TFTの親善大使をつとめるキャスターの内田恭子さんとTFT代表の小暮さんのトークイベントが実施され、仕事や育児に忙しい女性が、かっこよく社会貢献に参加できる方法について話し合われる。(オルタナS副編集長=池田真隆)