社会課題に立ち向かい現場に赴いて活動する女性たちを対象にしたメイクアップ教室が29日、資生堂本社の汐留オフィスで開かれた。NPOの理事や副理事ら15人が集まった。

集まった参加者で記念撮影

この活動は、資生堂が創業140周年を記念に取り組む「未来椿プロジェクト」の一環として行われた。資生堂が自社の強みを生かしてできる社会貢献活動を3つのテーマに絞り展開していく。3つとは、「女性と化粧」、「文化」、「環境」である。

これらのテーマでCSR部から各部署へ働きかけ、それぞれの事業所・部門が自分たちだからできることを自ら考え、実行していく活動だ。2012年4月8日にスタートし、今年12月末まで続く。今回実施された、『NPO女性リーダーのためのメイク教室』は、「クレ・ド・ポー ボーテグローバルユニット」の取り組みである。

クレ・ド・ポー ボーテは、フェアトレードを、資生堂グループの中で初めて導入したブランドである。ラグジュアリーとサステナブルを両立したデザインとして、Good Design Award 2011を受賞している。

当日は、スキンケアについての感触体感やコットンの使い方を教える講座、メーキャップにおいてのワンポイントアドバイス、ハンドマッサージなどが教えられた。



病気で旅に出ることができず病院暮らしをしている子どもたちに、旅の楽しさ、素晴らしさを伝える、たびキャラと世界中からの贈り物理事田生安希さんは、「いつも病院でマスクをしているので、表情豊かなアイメイクを」と要望した。病院に付き添いで来ているお母さんたちに自分の習ったハンドマッサージをしてあげたい、と一層目を輝かせながら答えた。

今までほとんどメイクをしていなかったと話す、特定非営利活動法人児童虐待防止全国ネットワーク理事高祖常子さんは、11月3日から始まるオレンジリボンキャンペーンの啓発活動等の際にも今日習ったメイクを意識したいと語った。

冒頭の自己紹介で、「メイクもプレゼンテーションだ」と語っていた、NPO法人国際プレゼンテーション協会副理事脇谷聖美さんは、「プレゼンテーションは。相手に喜んでもらえるようにするもの。見てくれる人に親近感を与えるような、快適だなと思わせるようなメイクをしなければと思いました。やっぱりメイクはプレゼンテーションだなと改めて思いました」と、語った。

クレ・ド・ポー ボーテグローバルユニットブランドマネージャー岡部義昭氏は、「女性に輝いていただくことがブランドの目的である。働く女性たちをサポートしている女性リーダーたちを支援することで、世の中の女性たちが一層輝いて下さるのではないかと考えている」と、述べた。

この未来椿プロジェクトは、企画から実践まで全て部で行うのが特徴であり、魅力だ。本来、クレ・ド・ポー ボーテグローバルユニットは商品開発とマーケティングのチームだ。実践で手を動かすことはあまりないということだったが、今回に限り、自らメイクアップやハンドマッサージを行った。

未来椿プロジェクトは、アメリカ、ヨーロッパ、アジア、オセアニアなど、世界各地で幅広い対象に向けて行われている。クライマックスにかけて一層注目していきたい。(オルタナS編集部員=山田衣音子)