最近では、若い人を中心にシェアハウスをする人が増えてきている。しかし、シェア生活の出来事やストーリーが語られることはまだまだ少ないようだ。そんな中、11月3日(土)に「シェアハウスサミット 2012」が青山にあるシェアオフィス「NagayaAoyama」にて開催された。主催者は、Colish代表の小原憲太郎さんとBlabo!の浅谷治希さんの二人。

サミット開催のきっかけは、シェアハウス同士の横のつながりが意外とないという問題意識から。そのつながりをつくるイベントをしたいと、浅谷さんが小原さんに話を持ちかけたことでこのたび開催となったそうだ。様々なシェアハウスで生活する参加者が60人ほど集まり、会場は満員となった。

このイベントでは、シェアハウスにまつわる様々なストーリーが共有された。それぞれ「GOOD STORY、BAD STORY、FUNNY STORY」という3つのタイプのストーリーを共有することで、それぞれのシェアハウス同士のつながりも深まるというイベントだ。

サミット主催者の小原さん(右)と浅谷さん(左)

参加者はそれぞれ7、8人ほどのグループ分かれ、アイスブレイクで自己紹介ならぬ、家紹介を開始。その後、グループで一人ひとりがシェアハウスにまつわるストーリーを話し、各グループで最も印象的なものが全体で紹介するという流れで行われた。

あるグループ1つとっても不動前や西新宿、神田、原宿など様々な場所で色んなコンセプトでのシェア生活を送っており、人数もルールも様々。そのような違いをお互いが関心を持ち、話し合う姿がとても印象的で、笑いの絶えない時間となった。

ここでいくつか気になるストーリーをいくつか紹介したいと思う。まずGOOD STORYに関して、幡ヶ谷のシェアハウスの方のお話が印象的だった。

3.11に、目の前の甲州街道を帰宅難民の方が多く歩いているのを見つけたので、Twitterを見てみた。すると水や食事や場所で困っている人が多かったので、Twitterで電話番号やシェアハウスの住所をツイート。すると、友達の友達や友達の友達の友達が来て十数人ほど泊りに来た。多くの人が困っていた中、シェアハウスが良いように機能したストーリーだ。

一方で、BAD STORYはといえば、軽いものから記事にできない話まで大盛り上がりだった。そのなかでよくありそうで共感を得ていたストーリーを紹介する。

シェアハウスのルールとして冷蔵庫の中で普通の場所とプライベートの場所を分けることに。しかし、ビールを冷やしたけれど、飲んだためしがない。そしてこの間もアイスが無くなった事件が発生し、4人のLINEグループでアイスを食べたのは誰だという話題が出て、買って埋め合わせたというストーリー。

最後のFUNNY STORYは、どのお話も会場全体を笑いに包み込むストーリーが多かった。ここではギークハウス新潟のお話を紹介する。

さすらう犬の種まき」という深夜番組の収録でおにぎりを33個握ってもらうという企画で芸人さんが新潟に来ていた。Twitterで泊まるところを探していたので、リプライを送ると本当に訪れてたが、ただでは泊めることができない。笑わせたら1泊OKということに。ネタを披露され、無事に泊まった芸人さんたちと素敵な時間を過ごしたが、なんと新潟ではオンエアがなかった。

このイベントではシェアハウスにまつわるストーリーが、オープンな形で発信されていた。参加者のみなさんは、お互いの環境や決まりの違いに驚いたり、共感したりと、意義のある時間が過ごせていたようだ。

ある参加者の方にお話を伺うと、「規模もコンセプトもルールも違うけれど、色んなストーリーを知ることで改めてシェアハウスの良さを知ることができた」とのコメント。ただ共同生活するシェアハウスよりも、面白いコンセプトを持ってきたシェアハウスが多く生まれている中で行われた、今回のシェアハウスサミット2012。

リアルなストーリーが語られることで、まだシェアハウスをしている人、どのようなものか知らない人への発信の場ともなるだろう。来年も開催予定とのことなので、シェアハウスをされている方はぜひ注目していただきたいと思う。(オルタナS編集部員=佐藤慶一)

[Colish:http://colish.net/] [シェアハウスサミット2012]