「あなたの小さな行動から世界が変わっていく、世界中へと繋がっていく新感覚ソーシャルアプリ」
このような理念のもとに生まれたのが、ゴミ拾い投稿型のスマートフォンアプリ「PIRIKA(ピリカ)」である。
今回は、株式会社PIRIKAのCEO(最高経営責任者)である小嶌不二夫(こじま ふじお)さんとCTO(最高技術責任者)の綾木良太(あやき りょうた)さんにお話を伺った。(聞き手・オルタナS特派員=内藤聡)
ーーPIRIKAのサービス内容を教えてください。
小嶌:一言でいうと、ゴミ拾いに特化したソーシャルアプリケーションサービス。ユーザーには、ゴミを拾った瞬間に写真を撮り、それを投稿してもらいます。それが、PIEIKAのネットワークや、Twitter、Facebookなどのソーシャルメディア上に流れて、ゴミ拾いという行動そのものが拡散していくサービスです。
ーーPIRIKAを創るに至った過程を教えてください。
小嶌:小学生の頃から環境問題に興味を持っていて、いつか何かしらの形で解決をしたいと思っていました。
大学院に入ってからは、ビジネスという形でそれを実現しようと考えていたのですが、アイディアが見つからなかったので、世界一周の旅をしながら、アイディアを探すことに。様々な国を周ったのですが、世界中どこにでもゴミはたくさん落ちているのを見つけたのと、その時たまたまiPhoneを持っていたことが相まって、PIRIKAの構想ができました。
また、その時色々と環境ビジネスについて考えていた案はあるのですが、基本的にお金がかかるものばかり。
少ない資本で始められるサービスってIT系のサービスくらいしかないのかなと思い、ITで尚且つ、解決できる問題のサイズも小さくして、最終的にゴミ拾いアプリという形になりました。
ーー現在どのようなユーザーがPIRIKAを使っているのでしょうか。
綾木:ユーザー層は、大体30代の男性が多いですね。最近ようやく、少しずつ若い女の子が増えてきているかも知れません。若い人達の方がスマートフォン持っているので、若い人達にもっと使って欲しいですね。
ーー今後はPIRIKAを通じて、どのようなことをしていきたいですか。
小嶌:今後はゴミ問題だけではなく、企業の問題も解決していきたい。というのも、ゴミを色々なところに捨てられてブランド棄損(きそん)を受けている企業が結構ある。例えば、マクドナルドやモスバーガー、サブウェイなどのファーストフード。コカコーラーやサントリーといった飲料メーカー。たばこのメーカーやコンビニエンスストアなどが挙げられます。
自社商品を捨てられていることで、相当数のブランド棄損をうけている。Googleで「マクドナルド ゴミ」と入力すると、怒りの書き込みが200万も検出されるのです。これは企業にとって大きな脅威ですよ。そのような企業とタイアップして、ブランド棄損を食い止める、お役に立つことができれば嬉しいです。
綾木:また、ゴミ箱が少ないという声をよく聞くので、PIRIKAがコンビニなどと組んで、ゴミを拾った人にゴミ箱の位置を示してあげるといった仕組みも作っていきたいです。
ーーPIRIKAが実現したい、今後の世界観は何ですか。
小嶌:「ゴミ拾いを今までしていなかったが、ピリカがあったから始めてみました」といった形で価値観を少しでも変えられたら嬉しいです。是非、一度使ってみて、人前でゴミを拾うということが、勇気のいることかということを体験して欲しいですね。
また、現在では一度アプリを立ち上げて、「はじめたよー」とつぶやくと、そのうちの数%の人が反応してくれる。これからは、自分がゴミ拾いをしたことで、どれくらいの人に影響を与えているのかをどんどん可視化させていきたい。自分ひとりで完結していた良いことが、色々な人に広がっていく世界を実現させたいです。
PIRIKA(ピリカ):http://www.pirika.org/