――ファーマーズマーケットの魅力とはなんでしょうか。
田中:新鮮でおいしい旬の食材がありますし、農家さんがこだわって作ったものに出会うことができます。顔の見える野菜ということですね。農家がこだわって作っても、既存の流通では規格と認証という二つで価値が決まってしまい、味がどうかは大きく評価されません。
一般的には、果物は早い段階(果実が青いうち)で収穫されて流通の間に追熟させて、消費者の手に届くときが食べごろになります。しかし、ファーマーズマーケットに並ぶ果物は食べ頃に収穫されますから、新鮮で本当においしいです。
トマトも、皮がしわくちゃでゼリー状になっているほうが味が濃くて天然のドライトマトのようで美味しいのだけれど、箱詰めして出荷する段階で潰れてしまうため、既存の流通ルートでは規格外となり消費者の手には届きません。ファーマーズマーケットではそういうものとの出会いだってあります。