パワースポットとしても知られる明治神宮。例年、お正月の参拝客は日本一を記録する。その明治神宮の森は自然に育ったものではなく、人口林だった。今から100年前、この土地は南豊島御料地(皇室の所有地)といって、荒れ地であった。そこで、次の世代のために、ここの土地を壮大な森にしようという「永遠の森」計画が始まった。
大正4年から造営工事が始まり、国内だけでなく、台湾や満州などから10万本の木が献木され、11万人に及ぶボランティアの力で今の森が作られた。御鎮座50年を機に境内の樹木調査を行ったところ、自然の状態になっていることが判明し、世界的に注目を集めた。今では、東京ドーム15個分の境内に17万本の木々が連なり、国民の憩いの場として親しまれている。後世に残し続けたいエシカル百景の一つである。(オルタナS副編集長=池田真隆)