*読んだら魚が食べたくなる!?さかなクンの視点に迫る(1/2)はこちら
——現代社会では、魚離れが進んでいます。魚離れを止めるために、さかなクンは何かアイデアはありますか。
さかなクン:現代社会はますます忙しくなっているから、料理時間は取れなくなっています。料理する時間があれば、一匹の魚を3枚におろして、様々な料理をすることもできるのですが…。
魚離れを止めるためには、とびきり新鮮なお魚の美味しさを体感することではないかと思います。骨の周りや、皮を焼くとこんなに美味しいとか、魚を余すところなく食べればわかります。
あら汁や兜汁など、魚は実の部分だけではありません。骨や皮にも美味しさがつまっています。一匹のお魚は料理方法によって味が異なるのです。そういう楽しさも魚料理にはあります。
——料理の時間が取れずに、料理する余裕がない。作りたいけれど、時間がないという声も聞きます。どうしてもファストフィッシュやスーパーのできあいものに頼ってしまします。
さかなクン:賛否両論ありますが、どうしても時間がないけれど、魚が食べたいという時は、ファストフィッシュは素晴らしいと思います。
ただ、いつも便利さを求めると、料理する楽しさがわからなくなり、骨や皮の美味しさが永遠にわからないままです。地産地消や、その土地ならではの美味しさにも気づけません。サンマは秋、アンコウは冬、春はマダイで夏はアジという旬も魚にはあるのですから。
日本は四方を海に囲まれていて、魚に恵まれた国です。このことに、気づかないともったいないです。日本には、約4000種の魚がいて、普段食べているのは、およそ30種だけです。
アジやサバ、サケなどをよく食べていますが、美味しい魚には、うつぼやエイ、サメもいます。
——魚離れが進む若者へ、さかなクンお勧めの料理はありますか。
さかなクン:なんでも鰹節かけると美味しいですよ。ヨーグルトやポテトチップスにも合います。鰹節もファストフードの一環ですが、疲れを知らない魚と言われている鰹の栄養成分には、DHAやEPAが含まれています。
その成分には、アンセリンがあり、そのアンセリンが抗疲労効果につながり、アンチエイジングにもなるのです。
また前提として、一匹の魚をまずは、感謝して、お料理することは大切です。なぜかというと、イワシも、マグロもサバも、だいたい卵は、1ミリほどの大きさです。
その大きさから、成長して、何千万部の1の確立で、魚屋に並びます。店頭に並ぶ1匹1匹は過酷な状況を生き抜いたエリートたちなのです。
その魚たちに感謝の気持ちを持ちつつ、骨に実が残らないように調理しないといけません。
漁師さんは、朝2時、3時に起きて、沖に出ます。シケの中でも嵐の中でも危険を顧みずに届けてくれます。1匹の魚には、数えきれない人たちの思いや情熱が、栄養成分に加え、つまっています。そういう人のことを想像すると、調理に力が入ります。だからこそ、魚料理は奥が深く、魅力的に感じるのです。
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