−−エシカルに関心を持たれたきっかけを教えてください。
原田:まずフェアトレードに関心をもったきっかけは、ある新聞記事でした。その記事には、チョコレートの話が書かれていました。当時、3歳の子どもがいましたが、子を持つ母親として、児童労働させられている現実に心が震えました。母親の立場として、何かできないかと強く思いました。
そこで、営んでいたセレクトショップで、290円のフェアトレードチョコレートを販売しました。次第にファッションでも、何かできないかと思い出しました。それがエシカルファッションに関心を持ったきっかけでした。
フェアトレードは途上国に特化していますが、エシカルは地域活性化や伝統工芸の存続なども含まれています。エコやフェアトレードよりも、広い意味を持っているので、様々なことと相性が良いです。
−−エシカルは女性に響きます。どうして男性には響かないのでしょうか。
原田:女性には、フェアトレードよりもエシカルの方が浸透しやすいのではないでしょうか。ファッションだけでなく、エシカル主婦やエシカル美容など、日常生活の様々なことにおいてエシカルの概念は適用されますから。
服のリサイクルはもちろん、町内会でゴミ拾いをする心意気もエシカルです。自分の中の良心を引き出すことが、エシカルな行動につながっていきます。
男性は経済的に物事を考えがちなので、エシカルで社会を動かすことが難しいと見ているのではなでしょうか。でも、男性たちには、女性たちが動かしますから待っていなさいと言いたいです。
男性も参加してみたいと思えるエシカルなムーブメントを女性たちが楽しく、旗ふりしていたいですね。女性は強くて、からっとしています。「あ、これいいな」と思ったら直感で動けるパワーを持っています。
■偽善的と言われても動き出す