広い草原にゾウやキリンの群れ、民族衣装を着て踊るアフリカン、もしくは水や食料不足で飢える子供たち、紛争ばかりの腐敗した国々を頭に浮かべるかもしれない。地理的にも文化的にも最も遠いといわれるアフリカに今一度新たな姿勢で向き合ういい機会である。

筆者も以前まではアフリカと聞くとどうしても貧困、飢餓、紛争といった悪いイメージを持ってしまっていた一人であった。貧しい子供の労働風景や奇形となって生まれてしまった乳幼児などを学校の授業やテレビで目にした記憶は今でも忘れられない。

しかし、その反面確実にアフリカ大陸は世界の新たなパワーとして注目を集めている。経済成長は他のどの地域にも劣らず、2001年からの10年間での成長率は5.8%、GDPは2.8倍、2050年までに人口20億人超となると予測され、第2の中国、インドと言われる理由もお分かりだろう。

関係各国も従来の一方的な援助、支援というかたちからWinWInの関係を望む貿易や民間投資というかたちで新たに向き合い始めている。例えば、中国を見てみると、現在およそ100万人の中国人がアフリカで暮らしており、アフリカとの貿易額は2000年の106億ドルから11年には1660億ドルまで急増した。アメリカ、イギリス、オランダといった欧米諸国も高額なODAで支援をしている。

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