徳永さんは、このプロジェクトに出逢った半年後には4年勤めた会社を退職し、3月下旬にプノンペンへ旅立った。2年間、現地に住む予定である。

この行動力に圧倒されることだろう。迷いはなかったのか、不安はなかったのか、多くの疑問が湧いてきた。しかし、彼女に迷いは一切なかったのだ。自分がしたいこと、すべきこと、自分だからできることが、彼女には明確に分かっているように思えた。

「2年で現地の仕組み化を進め、私がいなくても現地運営で利益が出るように動いていく。そして28歳になる頃、一人の女性として結婚と出産を経験したいと考えています」と語った徳永さん。

学校を設立して終わりではない。その先には、様々な可能性が広がっている。徳永さんは、「女性同士のコミュニティが現地でも形成されれば、そこでの衛生講習や母子講習などもできる」と話す。

「家族が大好き」と語る徳永さんは、「そこが原点」だという。その大好きな場所を離れ、同じアジアの女性が、「美しくあること」「働くこと」「家族と生きること」を手にしていけるように、彼女は動き出したのだ。自分がそうでありたいと願うからこその決断である。このプロジェクトが、カンボジアの未来をより明るくすることを願い、応援していきたい。(オルタナS編集部員=大森清香)

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