1997年のイギリスの首相ブレア氏による「これからはエシカルアプローチが大事である」という発言から「エシカル」という言葉がトレンド化したといわれています。
それから10年後、私もエシカルビジネスに興味を持ち、イギリスで学びました。大学はUniversity of Leeds、街がフェアトレード都市、大学自体もフェアトレード大学に認定されています。
大学の生協にはフェアトレードチョコやバナナなどエシカルな商品が並べられ、シャンプーも環境にいいものが計り売りされており、契約すると週に一度有機野菜が近所の農家から届きます。
この街には日本とは全く違う世界が広がっており、そういった商品を積極的に購入する学生や市民の意識の高さに驚きました。
企業としてエシカルビジネスを行うことは自社のブランドイメージのアップにつながるといえます。
商品を購入することで社会のためになる、環境のためになるということで、他の商品と差別化を計ることができます。
実際に日本でも、エシカルだからということを理由に商品を購入する消費者も増えています。
デメリットとしては、企業の利益率は下がるかもしれません。なぜなら倫理的に正しく製造するということは、環境汚染が起こらない方法で製造し、労働環境を整え、搾取のない正当な賃金を支払うことを意味し、各過程において通常の商品よりコストがかかります。
そうしたデミリットがありながらもイギリスでこれだけエシカルビジネスが成功した理由の一つとしては市民の問題意識の高さが大きく影響しているでしょう。
それがどのような商品を消費するかという行動につながり企業戦略に影響を与え、エシカル市場の拡大につながっているといえます。
日本も少しずつではありますが、特に東日本大震災以降、誰かの役に立ちたいという考えを持つ方が増えています。消費活動は一番身近ですので今後日本でもイギリスと同じようになっていくかもしれません。(寄稿・日本財団 山崎美加)
・日本財団 http://www.nippon-foundation.or.jp/
・TOOTHFAIRY http://tooth-fairy.jp/
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