——近年では、若い世代を中心に「ソーシャルデザイン」という言葉がよく見受けられます。

川廷:私はあえて言うなら、「ソーシャルアクション・デザイン」という言葉が好きです。CSRで一番大事なのは、アクションです。行動を起こさなければ意味はありません。

地球環境を意識して直接的に動く人々は増えてきていると思いますが、まだまだ普及啓発しなければなりません。もっと多くの人が動かなければ、地球は守れません。多くの人を動かすには、価値転換が大切だと思っています。それを仕掛けて行くのが環境コミュニケーション・デザインだと思っています。アクションを誘発するコミュニケーション・デザインが重要なのです。

今は仕掛ける人もどんどん増えています。一人ひとりが行動を起こすことが大切なことですので、あえて「ソーシャルデザイン」という言葉ではなく、「ソーシャルアクション・デザイン」という言葉で表現し、仕掛けを論じるだけではなく、私自身も現場で行動することを大切にしています。

——御社では、粒違いの社員たちが、それぞれの領域で、ソーシャルアクションをデザインしていくのですね。

川廷:そうですね。それは、粒違いの社員を大切にする弊社だからこそできることではないかと思います。そして広告会社らしいアプローチで、社会の仕組みを変えていきたいです。

コミュニケーションを生業にする私たちはクリエイティビティが重要です。クリエイティブは体験だと言えます。新たな表現を発想するためには、素敵な体験がなければできません。あるときアイデアが「降りてくる」とは言いますが、降りてくるのは、実は自分が体験をしてきたことが表出する、ということなのだと思います。

だから「粒揃いよりも粒違い」という考えを大切にしているだと思います。若いうちにこそ色々な体験をしてほしいと思っています。感受性を大事にして、その体験を表現してほしいと思います。

HAKUHODO SOCIAL ACTION

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