生駒氏とエシカルの出会いは、2007年。当時、マリクレールの編集長を務めていた生駒氏は、「ロンドンのファッション特集」を組んでいた。ロンドンに取材に行ったスタッフから、「エシカル特集を組みたい」と依頼があったという。
エシカルとは、直訳すると倫理的という意味の形容詞だ。80年代から90年代にかけてイギリスのブレア首相(当時)が、推し進めたアフリカの植民地政策を見直し、使用したことが発端とされている。「犠牲の上に豊かさが成り立ってはいけない」、「国と国の外交ではなく、個人と個人の交渉として考え直すべき」という立場を示した。
生駒氏は、エシカルを調べていくうちに、「これからの時代は、エシカルが文化にならないと未来はない」と感じたという。「ファッション業界は大量生産・消費や搾取的な労働が多い。誰かの犠牲の上に成り立つ美しさはありえない。エシカルはトレンドではなく、豊かな未来を創る時代精神である」。
■レディー・ガガも着たがるエシカルファッションを