不要な傘を自転車カバーに生まれ変わらせるコラボレーション企画が昨年春から始動した。手掛けるのは、ホームレス問題の解決に取り組むNPO法人Homedoor(ホームドア)(大阪市北区)と、余った布をつなぎ合わせるパッチワークを通じて世代間交流を促進する団体patch-work(神戸市中央区)の2団体。元ホームレスの人による傘のリサイクル事業「HUBgasa(ハブガサ)」で集まった布傘を、パッチワークによりデザイン性の高いカバーに変える。Homedoorの川口加奈代表(23)、patch-workの村上史博代表(35)にコラボレーションのきっかけや今後の目標を聞いた。(聞き手・オルタナS関西支局特派員=井上菜奈)

「今後取り組みをどんどん加速させていきたい」と語るpatch-workの村上史博代表とHomedoorの川口加奈代表(写真右から)=大阪市北区のHomedoor事務所

――コラボレーションのきっかけは。

村上:コラボレーションを提案する前から、同じビジネスコンテストに参加するなど川口さんとは交流がありました。昨年のある雨の日、Homedoorが行うシェアサイクル事業で使われている自転車にカバーが掛けられているのを見掛け、このコラボレーションのアイデアが浮かびました。

HUBgasaではビニール傘以外の、同事業では使用できない布傘も集まると聞いていたので、それらの傘をパッチワークで生かせるのではと思い付きました。話はすぐに進み、同年春から企画をスタートさせました。

――現在までの取り組みは。

川口:昨年の5月と9月にそれぞれ大阪市中央区と西成区で、カバーの試作をつくるワークショップを行いました。参加者は15人ほどで、学生や主婦などさまざまでした。約10本の傘を使用してひとつひとつ手縫いで、計4時間かけて1枚のカバーをつくり上げました。黒い傘が多かったため、鮮やかになるよう布の配置に工夫を凝らしました。協力して完成した際は歓声が上がり、大きな達成感がありました。

――今後の目標は。

村上:将来的には、高齢者とホームレスの人の雇用を生むきっかけになるような企画にしていきたいです。patch-workでは、若い人に向けたパッチワークのワークショップを行い、講師に裁縫の得意なおばあちゃんを招いて、世代間交流を通じて高齢者の孤独死防止に働き掛けています。

ホームレス問題の解決に取り組むHomedoorの活動とコラボレーションすることで、おばあちゃんのパッチワークが生まれ変わらせた自転車カバーを元ホームレスの「おっちゃん」が販売するなど、相互作用の仕組みをつくり、互いの事業に幅を持たせていきたいと思います。