今年３月末、濱田さんは１年間勤めた会社を退職。会社員となった昨年、仕事の忙しさもあり、なでしこボイスでの活動が思うようにいかなかった。そのことが、やはり辛かったという。
「20代の時間をどう過ごすかっていうのは、すごく大事だと思う。幸か不幸か、私はやりたいことが明確すぎて。やりたいことがはっきりしているなら、今やればいいと思って退職を決意した」と、濱田さんは語る。
また、ジャーナリストの山本美香さんが昨年亡くなったことも、大きく影響している。「彼女の死は、確実に私の人生を加速させました」と真剣な瞳で語った。実は濱田さんは、山本さんに最後のインタビューを行っていたのだ。
学生の頃、ジャーナリストになりたいと思いながらもその道に進まなかった濱田さんは、その道と真剣に向き合っている山本さんを尊敬していたという。取材後に別れる際、「私も美香さんのように発信する人になりたいです」と伝えたところ、山本さんはそれを応援してくれ、二人は握手を交わした。山本さんが亡くなり、「彼女のように、もっとやりたいことに向き合わないと」と強く思ったそうだ。
濱田さんは現在、編集事務所でアシスタントとして勤め、一般社団法人リテラでは、アジアの女性を応援する事業にも携わっている。「なでしこボイスを始めたことによって、発信していくことが好きだと気づいた」と言う。
「発信することを突き詰めたい」と話す濱田さんは、「５年先の自分がやりたいことをやるために、今は時間を投資したい」と続けた。
濱田さんは、海外で働くことを推奨しているわけではない。「多様な生き方がある」ということを伝えたいのだ。濱田さん自身、インタビューを通して様々な考えや生き方に触れたことにより、「自分の生き方の選択肢も広がった」と話す。
■「それぞれがしたい生き方に向かって、サバイブしていけばいい」
