自分たちのコミュニティーに何が必要かを見極め、実行に移すことが各自治体に求められているが、ホンジュラスにおいては自治体の財政・組織・行政能力が極めて低い。その結果、住民のニーズに合わない事業の実施や、不透明な資金の活用が顕在化している。また、選挙の度に市長や市職員の大多数が入れ替わる傾向にあり、自治体に知見が蓄積されにくい。当然ながら、こうした自治体への住民の関心・信頼度は低い。

これらの市の能力不足を補う方策として、ホンジュラスでは市連合会の役割が重要性を増している。市連合会とは、個々の市では解決が難しい課題を対処することを目的に、近隣の複数の市によって形成される地域団体で、構成市に対して技術支援を提供する。政治色のない安定的な組織であり、JICAは市に対する支援の窓口として、市連合会への能力強化支援を行なってきた。

「FOCALが目指すのは、市の地域開発プロセスを住民参加のもとで、市が主体的に実施できるようにすること。住民参加型の開発には根気が必要ですし、目に見えて物事がすぐに改善するわけではない。そこでいかに住民たちを巻き込むかというのは、このプロジェクトの課題でもあり、チャレンジでもある」と有本さんは話す。

自分たちの町は自分たちの手で良くする

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