――ビジネスを通して貧困層支援をしようと思ったきっかけは?
水井:学生の頃から途上国の環境問題に関心を持っていて、大学卒業後、学びを深めるためにフィリピンに留学しました。きっかけは、高校時代の授業で行った模擬サミットです。
生徒が各国の大統領や首相の役を務め、環境問題について話し合った際、フィリピンの大統領役を務めたことで関心を持ちました。フィリピンでは焼却せず放置されたゴミの山から有害物質が発生するスモーキーマウンテンという場所があり、そこで生活する人々に衝撃を受け、貧困層の人たちの支援をしたいと思うようになりました。
そのとき、熱帯地域に位置するフィリピンではたくさん生育しているココナッツが十分に活用されていないことを知り、それを利用した支援ができないかと考えました。
――会社の事業は貧困層の支援とどう結びついているのですか?
水井:JICA(国際協力機構)と連携し、フィリピン国内の貧困地域に赴いてココナッツの商品開発のノウハウを農家に提供することで、果実だけでなく、皮や殻、水分から多種多様な商品が生まれました。
食器やアクセサリー、化粧品といったそれらの商品を直接僕たちが買い上げ、日本で販売することで農家の支援につなげています。支援活動をより充実させるためにもたくさんの人々にココナッツの魅力を伝えることが重要だと思います。