イベント冒頭では、江戸時代に600以上の農村を再生した偉人「二宮金次郎」の7代目の子孫である中桐万里子さん(39)の基調講演が行われた。

二宮金次郎といえば薪を背負って歩きながら、寸暇を惜しんで学問にはげんだ勤勉の象徴だが、中桐さんは「金次郎は生前、家族に『私が死んだら名を遺さず行いを遺せ』と語っていた。金次郎が本当に伝えたかったことは勉強の大切さよりも、薪を背負って歩くという『実践』の大切さだ」と語った。

二宮金次郎の生前の言葉『名を遺さず行いを遺せ』を説明する中桐万里子さん=大阪市中央区民センター

基調講演のあとは6、7人組で、地域のために何をするのか、とのアクションプランを作るためのディスカッションが行われた。学生や経営者、会社員、個人事業主など約50人が参加し、互いの活動や意識を共有した。

「同じ目的を持った人が集まると、実践するために一歩を踏み出そうと思える」「せっかく同じ場に集まった仲間。一緒に地域活性をしていくことができれば」と話す参加者もいた。

それに対して中桐さんは「『私と仲間』や『私と地域』であれば他人事のような気がするが、『私の仲間』や『私の地域』であることを意識すれば、思いやりの気持ちを持てるはず。まずは自分が仲間や地域から愛されていることを知り、意識を『と』から『の』に変えて、恩返しをする気持ちで地域活性のために『実践』してほしい」とフォーラムを締めくくった。

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