佐藤さんは、「これは一団体が所有しているプロジェクトではない。沢山の人が繋がってできているものであり、みんなで創るプロジェクトです」と語った。
「被災地支援という一時的なものではなく、地方の良い物を生かしていくプロジェクトでもある」という。日本が原産である椿は、北は気仙、南は九州・五島列島・奄美大島まで植えられている。「椿の一つの成功モデルができれば、日本列島に椿の産業が広がっていく。そのモデルケースを作っていきたい」と語った。
一人ひとりの思いが繋がりできた気仙椿リップクリームは1100円。今回は、使いやすさを重視して無香料にしたという。椿は、昔から火傷のときに塗ったりするなど、鎮静剤の役割も果たすそうだ。椿が持つ効用にも注目したい。
気仙椿ドリームプロジェクトでは、11月頃に第三弾商品として、ハンドクリーム、リップクリームに加えて、ピュアオイルを発売予定である。「色々な人の声を入れていきたい」という思いの元、Yahoo!の新企画とコラボして、メインビジュアルと商品本体パッケージデザインを募集している。自分のデザインが、被災地に産業を生むための大きな役割を果たすことになる。デザイナーによるデザイン応募期間の後は、Yahoo!を通じてデザインの人気投票を行う。応募期限は今月29日まで。詳細はこちら。
現在は、商品開発だけではなく、椿の森を守る活動や様々な企画にも力を入れている。また8月からは、大船渡のコミュニティーFMにて、ラジオ番組を持つことが決まっているという。同番組では、気仙椿についての話やゲストを招いての対談などを行っていく予定だ。更に、秋に行われる種拾い大会に合わせて、東京からのツアーを行う。東京の方と現地の方を繋ぐ良い機会となるだろう。
気仙椿リップクリームは無香料のため、男性にとっても使いやすい商品だ。10年後には、現在の高校生や中学生が「働きたい」と思える産業へと成長していくためにも、一人ひとりの思いを繋げ、みんなで育てていきたいプロジェクトである。(オルタナS編集部員=大森清香)
・一月に掲載した記事も併せてご覧いただきたい。記事はこちら。