今月10日には、気仙椿リップクリームのリリース発表会が行われた。リテラの一員で、今年1月に住民票を陸前高田へと移した佐藤武志さんは、「椿の持つ可能性」について話をした。

三陸沿岸地域には、先人たちが植えた椿が生えており、そこには種が沢山落ちているそうだ。「現地の方には、気仙椿はあるのが当たり前すぎて、椿の種を拾う人が殆どいなかった」という。

同プロジェクトがつくったハンドクリームやリップクリームのほかに、椿を使って作れるものは多くある。仮設住宅に住む方々が椿の殻から作ったブローチは、お土産にも最適だ。また椿を搾ったあとに出る油粕は肥料にもなり、伐採されたあとの材木を利用して木工細工を作ることも可能だ。ただ、これらはまだ産業になっていないのが現状である。

「椿というのは捨てるところがない」と佐藤さんは話す。現在は種を拾ってもらえるよう、呼びかけを行っている。

「そういえば、おばあちゃんが椿の種拾っていた!」と教えてくれたのは、先述した女子高生のなかの一人である。気仙椿ハンドクリームを通して、気仙椿の価値に改めて気づいた人も少なくない。また、商店街にある自分のお店に同商品を置いたり、椿の種を拾ってくれる協力者も増えている。

リリース発表会にて(左:佐藤武志さん 右:渡邉さやかさん)

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