――ニカラグアでは、どのような活動をされているのでしょうか。
楊:配属先のCasa AlianzaというNGOが運営する保護施設で、社会リスクに直面する青少年への生活指導やレクリエーション活動を行なっています。この施設には100人ほどの子供が保護されているのですが、家庭内暴力・薬物などの問題を抱えている子どもが大半で、中でも大きな割合を占めるのが14~17歳。諸活動を通じて彼らのスポーツや芸術などの才能を育成し、自己形成と集団生活の能力を高め、社会的に生きる力を促進することが活動の目的です。
私が所属しているのは、スポーツや文化・芸術などを扱う部署です。こうした活動に子どもたちと一緒になって取り組み、彼らが笑っていられる時間を増やしていけるように努めています。
ここは一種のリハビリ施設で、社会から取りこぼされてしまった子どもたちが立ち直るためのきっかけを提供しています。逆のことを言うようですが、この施設を出れば全員の人生が変わるという保証はないんです。目に見えて状況が改善していくわけでもないですし、そこが難しいところです。ただ、もしこの施設がなければ子どもたちは本当に行き場をなくしてしまうんです。
一人ひとり事情が違うので根気が必要な仕事です。教育というものの難しさを実感する毎日ですが、それだけやりがいもあります。