――施設に保護される子どもたちは当初どういう状態なのでしょうか。
楊:保護される子どもの8割は薬物依存の状態にあります。薬物の支配から抜け出すための、医療・心理的なケアがまず必要となってきます。
路上生活をしてきた子どもたちには時間感覚がありません。この施設では1日のスケジュールが細かく決まっていて、その通りに生活できるように管理しています。管理されることは子どもにとってはストレスではありますが、社会に戻っていくためには大切なことなんです。
そうすると、施設には管理する側とされる側という上下関係ができてしまうのですが、その間に入り込んでいけるのがボランティアだと思っています。私たちはあくまで中間的な存在なので。子どもの要求は際限がないですし、施設はそれを大きく管理しようとします。双方の間でバランスを取りながら、ボランティアとしての役割を果たせるよう取り組んでいます。