7月12日に、国連である少女が演説を行いました。会場には世界からたくさんの少年少女が集まり、とても印象的でした。私はこの演説をみて、驚きました。

おそらく、それは、
・16歳の少女が行っていたこと(この演説の日は彼女の16歳の誕生日)
・イスラム教圏の女性による訴えであるということ
・一度命を狙われたあとにもかかわらず、声をあげ続けること

これらの理由によるものでしょう。彼女の名前はマララ・ユスフザイ。パキスタン出身の女の子です。彼女は11歳の頃から女性の権利、すべての少年少女が教育を受ける権利を訴えています。

パキスタンといえばイスラム教国です。イスラム教では、長い間ずっと女性差別が根付いています。イスラム教国では女性が教育が受けられないことが当たり前であるため権利を訴える人が今まで現れませんでした。

「あたりまえ」な中では誰もなにも訴えることはないでしょう。しかし、彼女は勉強をする喜びを求めて声をあげました。ただし、イスラム教国の女性が権利を訴えるのは簡単ではなかったようです。彼女は地域の勢力を握るタリバンにより、命を狙われました。

昨年10月、彼女は学校帰りにタリバンの兵士に襲われ、瀕死の状態となります。幸いその後イギリスの病院に運ばれ、数回に渡る手術を受けた結果命をとりとめました。

ただし、命を狙われても彼女は声をあげることをやめません。彼女はすべての人が、教育を受けることができることを祈っています。もちろんそのなかにはタリバンの人たちもいます。

彼女の誕生日7月12日は「マララデー」といわれ、すべての女性、少年少女の権利のための日となっています。彼女は「1人の子ども、1人の教師、1冊の本、そして1本のペン、それで世界を変えられます。教育こそがただ一つの解決策です」と言いました。

このような「1つの声」も世界を変える武器になるでしょう。若者が声をあげることで、世界を変えることが出来る可能性があるので
はないでしょうか?それは日本の若者が発信する1つ1つの声でも。(寄稿・平野啓太)


マララ・ユスフザイさん(16)の動画→watch?v=KtprX8i2k-Q



【平野啓太】
法政大学2年(休学中)。国際協力における人材の育成を行う国連直属のNGO「WAFUNIF」でインターン中。学生部として、「WAFUNIF」のクレド(組織の行動指針などが書かれたカード)にある、「おしえる、∞」、「ひろげる、∞」、「つづける、∞」を信条に国際問題を広める活動を行う。また、発展途中の東ティモールで活動を行うNPO法人LoRoSHIPにも所属しており、東ティモールの若者と日本の若者をつなぎ、伝統や観光業支援を通じて共に国づくりをめざす。

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