*「バレンタイン一揆」・・ガーナで児童労働問題を知った、日本の女子大学生3人組は、バレンタイン当日に、チョコレートを通して、世界の問題について考えるイベントを企画する。フェアトレードでつくられたチョコレートを店頭で販売し、購入者に児童労働問題をレクチャーする。児童労働問題を目の当たりにした若者の悪戦苦闘ぶりを描いたドキュメンタリー。監督・吉村瞳 企画・並河進


トークセッションの司会は、同映画を企画した電通ソーシャル・デザイン・エンジン部の並河進部長が担当した。映画の感想として、白木夏子代表は、「学生時代を追体験した」と話す。「学生時代にNGOでボランティアしていたが、現地では思ったように活動できなかった。その悔しさを思い出して、映画に出てきた学生たちに共感した」。

HASUNAを設立した背景も、学生時代に劣悪な鉱山現場で働かされている子どもたちを見たことにあるという。「日本で育てられたので、不自由なことは少なかったが、途上国の子どもたちと暮らしてみると何をするにしても困難なことがわかる。彼らよりもお金をかけられて育ってきたのに、途上国の子どもたちに何もできないことが悔しかった」(白木夏子代表)

現地の子どもたちと出会い問題意識を感じたのは、ACEの白木朋子事務局長も同じだ。ガーナには2008年から訪れている。「私たちが食べているチョコレートは、ミルクティーのような水を飲みながら、学校にも通わせてもらえない子どもたちによって作られている。この現実をどうにかして変えたかった」。

現在、児童労働の被害にあっている子どもは、世界中に2億人ほどいる。7人に1人の割合だ。児童労働や貧困を生み出す原因は、途上国だけでなく、先進国にもある。消費者として、意識するしないにかかわらず、児童労働で作られた商品を購入することが、児童労働を生み出す温床になっている。

■児童労働がなくなった世界とは、どんな世界か?

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