昨年、出演をしたアーティスト8組にも相談をし、今年も出演が決まった。イベント企画において、アーティスト側から色々とアドバイスも受けているという。

アーティストとイベント企画を進めていく中、「日本におけるミュージックシーンには、大きな問題がある」と気付いた。

ライブハウスの運営難だ。例えば、今回BLACKMAILの渡航費用などは、ドイツの公的機関「ドイツ文化センター」が出資をした。欧米諸国では、ミュージシャンという職業が認められている国もあり、アーティストに対する手厚い保護と優遇があるという。

けれど、日本はそういったことはなく、現時点でライブハウスなどに足を運ぶお客さんは少ない。ライブハウスが経営を存続していくためには、ミュージシャンが高いチケットノルマ代を払い、運営を行っている現状だ。昨年開催を行ったライブハウス「渋谷屋根裏」も今年6月に営業を辞めてしまった。

礒尾さんは、「私は音楽ファンとして、自分のできることをしていきたいと思っています。」と話す。ROCK GOD DAMイベントの挑戦は、会場の分煙化や、学生特別割り引きチケットの設定を行う事で、ライブハウスに新しい層のリスナーを取り込もうとしている。

「高校生は少なからずライブハウスは怖い、というイメージを持っているはずです。このイベントは、高校生も楽しめる空間を提供できるようにホール内を禁煙にしたり、居やすい空間を作りたいと思っています。」と、彼女は意気込む。

ROCK GOD DAMはただの音楽イベントではなく、高校生がビジネスを学ぶ場であり、寄付を行う事で社会に貢献する喜びも知ることができる、まさに社会教育プログラムではないだろうか。

イベント開催日まで、残りわずか。礒尾さんは、今の気持ちをこう語った。「タスクに追われ、忙しい日常の中でも、ふとBLACKMAILの曲を聴けば、8歳当時の気持ちに戻ります。BLACKMAILが来日することを本当に喜んでいる日本人ファンのためにも、彼らを日本に送り出すためにお金を集めてくれたドイツ人ファンのためにも、このイベントを絶対に成功させなければいけないという使命に燃えています」。

・ROCK GOD DAM2013の公式サイトはこちら

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