琵琶湖ではブラックバスやブルーギルなどの外来魚が食料用として持ち込まれたり、ルアー釣りの目的で密放流されたりしたことが原因で、1983年から1993年にかけて大繁殖した。2006年の外来魚の推定生息量は1920トンにものぼる。
琵琶湖にはホンモロコやニゴロブナなどの固有種が古来より生息している。どちらとも地域の伝統食品であるが、外来魚の増加によりこれらの在来魚が減少した。これは外来魚の生息域と在来種の産卵場が重なり、孵化した在来種の稚魚が食べられたためと考えられている。このように琵琶湖の生態系や地域の貴重な水産資源は外来魚により大きな影響を受けている。
近年は民間団体による釣り上げ活動や、滋賀県の施策として外来魚回収いけすや回収ボックスが設置されるなど外来魚対策への取り組みは進んでいる。しかし、よく琵琶湖に外来魚釣りにくるという参加者からは「外来魚が釣れるたびに回収ボックスを利用しようと思うが、怖くて入れるのを少しためらってしまう」という声も聞こえた。
回収ボックスには大量の魚が入っていて、ゴミを一緒に入れる人もいるため腐敗臭もするという。今回は、釣り上げた魚は回収ボックスに集めるのではなく、滋賀県内の障がい者施設で加工された後、堆肥として利用される。