フジテレビ報道局で解説委員やニューヨーク支局長を務めた安倍宏行氏(57)が1日、オンラインメディア「NEXT MEDIA Japan In-depth(ジャパンインデプス)」を立ち上げた。執筆陣に、元「ニューズウィーク日本版」編集長の藤田正美氏、多摩大学経営情報学部非常勤講師の安藤美冬氏などが揃う。熟年のジャーナリストから新進気鋭の若手言論者を集め、「見出しを追うことから脱却し、ニュースの深層を伝えたい」と意気込む。(オルタナS副編集長=池田真隆)
「テレビ・新聞離れが進むのは、既存メディアが人々の知りたい情報を伝えていないからではないか」と安倍氏は疑問を投げかける。
安倍氏がフジテレビ報道局に入社したのは1992年。退職した今年9月までの21年間にわたりニュース報道と向き合ってきた。「インターネットメディアが次々と立ち上がっているが、まだ黎明期で、試行錯誤が続く。読者に見出しを追わせているだけで、深層まで伝える記事は少ない」。
これからのメディアに必要な要素として、「読者を動かすコンテンツ」と考える。「単に情報の受け手にとどまるだけでなく、ニュースを自分事ととらえて、課題解決へ行動することを促す」(安倍氏)。
この考えから、政治、経済、国際、教育、ライフスタイルなどのニュースを解説する執筆陣を揃えた。
社会貢献情報にも力を入れる。エシカルジュエリーHASUNA(ハスナ)の白木夏子代表の寄稿や、安倍氏が行う復興支援に関する情報も掲載されている。
中でも、エシカルブランドには関心が高い。昨年4月、白木代表と、エチオピア産の革製品を取り扱うandu amet(アンドゥアメット)の鮫島弘子代表の対談イベントを個人で企画し、200人ほどの会場を満員にした。