普段とは違う自分になる―。演劇の手法を使った心に響く話し方教室の企画・運営を行う一般社団法人日本心に響く話し方協会(東京都港区、宮北結僖代表理事)は、奈良市のフリースクール・サポート校、アイエス学園奈良学習館で無料出前教室を開催した。アイエス学園は不登校や発達障がいを抱える生徒の個性を大切に、社会に巣立つ力を育むことを目指している。今回の出前教室はコミュニケーションが苦手な生徒たちに、人とつながる楽しさを体感してもらうのが目的だ。(オルタナS関西支局長=神崎 英徳)

晴れの日に傘を持ってきた転校生のユタ(勇太)がいじめられるシーン。先生と生徒が一緒に芝居を演じた

講師は大阪の言響認定講師、茜志保インストラクターが担当。まず学ぶのは、ベースとなる「3部構成で話す」こと。ハマっているもの、自慢できることなどの「テーマ」、あらすじは最低限で感じたことをメインに話す「関連した体験話」、テーマを改めて繰り返す「締めの言葉」という流れに沿って話すことで、気持ちが伝わって相手の印象に残りやすくなるという。

次に自分の言葉でそれぞれ「近況報告」を実践。腹式発声やカツゼツを練習した後、転校生のユタ(勇太)がいじめられる芝居で登場人物になりきり、立場を入れ替えて繰り返し演じることで普段の自分とは違う視点でのコミュニケーションを体験した。

参加した生徒たちからは、「声の出し方を変えると印象がかなり変わったりするのでこれからははっきりと話したい」「劇が楽しかった。話し方の違いがわかった」との声が聞かれた。

講師の茜さんは、「人の表現におもねることなく、自分の解釈、表現を変えずにセリフを発してくれていた。みんな素晴らしい表情で、何回もやるごとに、どんどん表情が豊かになって、とてもイキイキしていた。人とつながる楽しさを実感してもらえたのでは」と語った。


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