6日、明治大学リバティタワーでNPO法人桜ライン311の活動報告会が行われ、ゲスト講演者の佐藤柊平さん(明治大学農学部4年)が登壇した。
佐藤さんは、震災発生1週間後から現地での緊急支援活動を行った。その後、被災県出身の学生と地域支縁団体アーチを創設する。現在も様々な学生と一緒に、行政や企業等の法人と複数の復興地域づくり事業を実施するなど、若者と復興地をつなげるコーディネーターとして活動する。
大学生にとって東日本大震災は大きく分けて3つの角度から意味があったと話す。1つは、多くの活動が生まれたことで復興支援やボランティアに参加するハードルを下げたこと、2つ目は、自然の脅威の前で自分の力を再確認できたこと、3つ目は復興支援にかかわる人数が年々減少していき、トレンドやブームだったことが明らかになったことだ。
復興支援で東北を訪れる人数は震災年の夏休みに記録した5万弱から減少を続け、翌年の5月には5分の1ほどの1万人弱となった。東北にかかわる規模は減っているが、別の視点で見たときに効果が表れていると分析する。
それは、東北が第二の故郷となり、実家や故郷を改めて考え直すきっかけになったことだ。「東北で学んだことを、それぞれの地元に還元し始める学生が増えた。地方に魅力を感じて、都市からUターンする人も増えた」と話す。そして、「東北という地域が 『居場所』や『帰る場所』として、学生や若者を魅了していることも大きな傾向と言える」と考察した。
■東北コンプレックスからの克服