今後の課題点として、3つ挙げた。「復興を普遍化すること」「復興にかかわるメリットの提示」「『復興支援』の言葉の終わり」だ。大学生にかかわらず、復興支援の持続性は重要だ。自己負担で支援するには限界があり、学生の復興支援団体もNPO法人化する動きも見え出した。
復興予算25兆円のうち執行率はいまだ3割以下。予算が莫大すぎて、さばき切れないとの声も聞かれる。そして、長期的に見越して予算を使わないといけないので、予測するのが困難でもあるのだ。
佐藤さんは来年就職するが、復興支援を事業として行う企業なので、引き続き東北にかかわる。今後の復興支援活動に必要な要素として、石川啄木、国分謙吉、後藤新平の言葉を引用した。この3人が語った言葉こそが、これからの復興に不可欠な考え方であり、大事な気概であると佐藤さんは断言する。
石川啄木
「こころよく 我にはたらく 仕事あれ それを仕遂げて 死なむと思う」
国分謙吉(岩手県知事 1947~1955)
「岩手は独立する。もう中央の言うことは聞かない」
後藤新平
「復興はいたずらに一都市の形体回復の問題に非らずして、実に帝国の発展、国民生活改善の根基を形成するにあり。震災は理想的帝都建設の為の絶好の機会なり。躊躇逡巡、この機会を逸せんか、国家永遠の悔を胎するに至るべし」