東京都知事選挙が1月23日に開始されたが、選挙権を持たない未成年者が特定の候補者を支持するような情報をSNS上でシェア・RTなどした場合、「禁固1年以下または30万円以下の罰金」が科される。ネット上で若者を中心に支持される候補者も立候補しており、投開票日の2月9日までの17日間は細心の注意が必要だ。(オルタナS副編集長=池田真隆)
公職選挙法第137条の2「未成年者の選挙運動の禁止」では、ツイッターやフェイスブック、ブログなどを使って、特定の候補者を支持する「選挙運動」にかかわる情報をシェアした者を違反とみなしている。
総務省選挙課の担当者は、「(未成年者がシェアした)情報の内容を違反と判断する明確な基準はない」とオルタナS編集部の取材で答えた。個別具体的に情報内容を調べ、取締当局が未成年者と特定できたとき、司法が罰する。
昨年4月には公職選挙法が改正されインターネットを使った選挙活動が解禁された。候補者の考えに触れる機会が増え、有権者と政治の距離が近づくことが期待された一方で、未成年者との距離は昭和の時代から縮まっていない。
若者の投票率の低さが騒がれるが、未成年者を政治から遠ざけるこの法律には、「せっかく関心を持ったのに、意見が言えないのはおかしい」「これからの社会を担う若者にこそ、政治にかかわってほしいのに残念」と、未成年者だけでなく20代以上の大人たちからも疑問の声が多く出ている。