TOEIC350点、海外への渡航経験なしの斎藤悠輔さん(獨協大学経済学部4年・22)は今年3月から海外26カ国を周る世界一周の旅に出かける。「食」をテーマに置き、その土地のおふくろの味を堪能する。斎藤さんは学生でありながら、居酒屋の店長を務めており、帰国後は多国籍料理居酒屋を開店することを目指す。(オルタナS副編集著=池田真隆)

食をテーマに世界一周する斎藤さん

斎藤さんが訪れる国は、サンフランシスコ、パリ、エルサレム、台湾など26カ国。3月から約半年をかけて周る予定だ。訪問した各都市では大学巡りも行う。大学側に事前に連絡を入れており、各大学の教育方針や進路支援などを紹介してもらう。それぞれの大学の日本語学科に所属する学生とも対話する。

そして、その若者が食べている郷土料理のレシピも紹介してもらう。レシピに加えて、調理方法も動画に収め、斎藤さんが運営するウェブサイトなどで公開する。料理をご馳走になるだけでなく、日本の郷土料理もふるまう予定だ。

斎藤さんの故郷は秋田県大曲市。現在は周辺町村と合併し、大仙市となっている。そこの郷土料理である、納豆汁を食べてもらおうと考えている。納豆汁は納豆が入っており、粘っこさが特徴だ。

帰国後は、世界の料理を食した経験を生かし、多国籍料理居酒屋の開店を目指す。場所は、東京中野近辺を予定しているという。「世界の食文化に触れる居場所をつくりたい」と話す。

現在、斎藤さんは学生でありながら、居酒屋の店長を務める。かねてから、サークルを通して、スポーツ大会やフリーペーパー制作など大学生活を盛り上げる活動をしていた。しかし、大学内での活動には規制があり、限界を感じた。そこで、2012年10月から、獨協大学(埼玉県草加市)近辺に居酒屋「酒笑(さかわ)」をオープンした。

「酒笑」には多くの獨協学生が集う

「学生たちが気軽に立ち寄れる居場所にしたい」と、飲み放題にパスタやピザなどの料理が付いて、予算1500~2000円と低価格に抑えた。「世界の食文化を堪能し、日本のおふくろの味も伝えていきたい。海外で、多くの食と笑顔に出会うことを楽しみにしている」と言う。

斎藤さんの公式ウェブサイトはこちら